牛から開放されて戻った後は、家族で次の宿泊地であるAssensというFyn西側を目指してドライブ開始。まずは、ホテルの近くにあるというFyn島で最大とかいうお城を目指す。
広々とした緑萌える海沿いに建つVardemars Slotというお城。明るい黄色いの城門とレンガ色の重厚な城が緑に映えて、とても綺麗。 しかし生憎と、休館らしく、中に入ることはできない様子。せっかくなので、散歩がてら周囲を散歩することに。昨日に続く晴天で、しかも気温は昨日よりだいぶ暖かい。写真をとったり、ノンビリしていると、突然 ピカピカのレンジローバーやカイエンの車列がやってきた。 ああ、これってVIPだよね~ などどNと話し合っていた。
でも、なぜか先頭は汚いトラック。頭をかしげていると、その車列はお城の前に止まった。すると、次々と車からは、クラシックなハンティングルックの紳士たちが降りてきた。城からは従者とも見える人々が何人か現れて迎え入れている。 さっきまで、まったく人気のなかったお城が嘘のよう。どうやら、城主が狩から戻ってきたようだ。そういわれてみれば、さっきまで近い距離でパンパンと銃声がしていたのを思い出した。 確かに今はハンティングのシーズンであり、よくハンターを見かけるし、銃声も耳にする。それに慣れてしまってなんとも思わなくなった自分がおもしろい。しかし、貴族のハンティングの様子を見ることができたのは、とてもラッキーだ。せっかくなので、一番手前の車から降りてきた1人に話しかけて様子を写真に撮らせてもらう。
先頭のトラックを見つけたので、何を撃ってきたのかと荷台をみると、なにもつんでいないが、散弾銃の薬きょうが転がっている。せっかくなので、頼んでみると、まあ予想通り「好きなだけ貰っていけ」というので、長男と嬉々として拾っていると、従者の1人が、長男に綺麗な羽をくれた。 よくみれば、それはPheasant Tail. フライマテリアルとして、パパがほしいくらいだ。更に嬉々としていると、年老いた従者の方が、獲物を見せてくれるといい、お城のお庭にいれてくれたのだ。
そして、自慢げに見せられたのは、オスとメスにわけられて綺麗に並べられた大量のキジ。しかし、すごい量だ。
撃たれて哀れではあるが、冬場の食料となるのでそれはそれで自然の摂理。それにしても、オスのキジの綺麗なこと。その羽は、本当に綺麗で、フライタイイング用に一匹持ち帰りたいくらいであった。
あとで分かったのだが、帰り道にこのお城のパンフレットを貰ったのだが、間違いなくそこに綺麗な奥様(お姫様)と移っている城主のは、先ほど見かけたハンターの紳士だった。特に言葉を交わしたわけではないのだが、今でもそうした貴族がいて、伝統的を大切にして生活している様子を直接目で見て確認できたことは、貴重な経験だと思う。 特に、現代において、広大な敷地・広大な屋敷を維持してゆくことは、決して容易ではないはずだ。 だので、観光客を呼んだりすることは、維持の上で必要なことであろう。おそらく従者も代々続くものであろうから、そうした者を守ってゆくのも、城主の役目であろう。伝統行事を大切にするためには、ある程度昔から変わらない景色を残し、自然と資源を残してゆく必要もあるだろう。キジや鹿住むことのできる森を大事にする。そして、それを年に一度は人間が必要な分だけ狩るというのは、延々と続いてきたサイクルなのだろう。
お城へと続く道
お城を離れてすぐに出会った、牡鹿
日本では、どんなに栄えた家も3代経てば庶民に戻るという。それだけ、相続や資産にかかる負担は大きいのだ。いわゆる旧家やお城を持つ人は、なかなか苦労がたえないのだろう。確かに、それだけの資産を持っているのだから税金も高くて当然なのだが、負担が大きすぎて維持できないことによって、伝統的な価値を持つ旧家や家並みが、100円パーキングになったり、コンビニになったり。なんの味もそっけもない、マンションンに変わってゆくのは、どうかと思う。たしかに、そうして流動したほうが資産としては価値を生むのであろう。住居も増えてよいことである。しかし、その一方で、古きよきものや豊かな自然が、徐々に失われてゆくことは、果たしてよいことなのだろうかなどと思ったりもする。あと数十年経ったら、一体何が残っているのだろう?みたいな。その一方で、妙に鹿などの動物を保護したら、逆に増えすぎて困っているという。 なんだか、一体何の為なんだか、あまり的を得ていませんな。