先週末は金曜を有休にして家族でFyn島に行ってきた。とりたてて、これがしたい!という感じではないのだが、とにかく綺麗な場所なのだ。多少の釣りも兼ねて、車には荷物が満載。たった2泊なのにトランクエリアには一切隙間がないほど積み込んだ。
最近コペンハーゲンの先で工事をしていて、渋滞がひどいのだが、その後工事が進んだらしく、渋滞はほとんどなく、1.5時間くらいでFynについてしまった。寝坊して出発が1時間近く遅れたのだが、おかげで時間を稼ぐことができた。先週から変な天気で雪は降るわ、大風が吹くわだったのだが、金曜は快晴。その名残なのか、コペンハーゲンがあるシェラン島は雪景色。どうなるかと思ったが、西に向かうにつれて天気は快復し、すこし冷え込むが、まだまだFynはあたたかく、緑が萌えていた。紅葉が丁度始まった様子。なんとか、冬景色がやってくるよりも早くつけたようだ。
Fyn島に向かうにあたって、セバスチャン(通称: セバお)という長男の親友のデンマーク人のパパにFyn島のおススメをしてもらっていた。オススメにしたがって、昼食を食べにKertemindeというOdense北部の町にむかう。、本当はここKertemindeにある、オススメのTornøes Hotel に宿泊するつもりだったのだが、生憎と満室だった。しかし、前回釣りに来た時に、たまたま僕がこの町を通りかかっていて、フィヨルドの河口(出口?)につくられたこの綺麗な町を是非訪れたいと思っていたのだった。
また、Nyborgの先で高速を降りてからKartemindeまでの田舎道がこれまた美しい。延々広がる牧草地の中にかやぶき屋根の家々が点在するのは非常にきれいである。
Kartemindeのこのフィヨルドの水上に作られたCafeを発見して、ブランチをとる。天気がよいせいで、テラス席が非常に気持ちよい。Fishiball、Salmonのサンドウィッチ、サーモンの入ったキッシュを食べて、お店のおばさんと会話をすると、実は先週の嵐の時に高潮が発生して床上まで浸水したんだそうな。今日の天気からは想像出来ないが、おばさん曰く、押し寄せる水を前に、ただ呆然とみているしかなかったそうだ。
「Kartemindeの写真」
水面に目を向けると、結構な流れがある。日本の急流と比べても(そう、長瀞とか)同じくらいの強い水流だ。これもおばさんに聞いてみると、このフィヨルドの出口が狭いため、毎日潮の満ち干きに合わせて、流れが発生するんだそうな。
これは、珍しい。 フィヨルドということは、ここは海であるわけで、この河口にかかった端の部分では、年間を通して夜になるとSea Troutを狙うアングラーがおとずれるとか。実際、前回通り過ぎた時も釣り人を見かけたし、ここにホテルが取れていれば、僕もここで釣り糸を垂れるはずだったのだ。 河口には橋がかかり、ヨットハーバーもあり、魚がついているのは間違いがなさそうだ。水深はそうとうありそうだし、ここはウェットフライをスイングさせるのだろうか?・・・など思いを馳せるが、宿の都合でいイメージトレーニングだけで、お預けです。
ビールをのんでゆっくりした後は、宿をとった同じくFyn東岸のSvendborgの向かいの小島を目指す。ノンビリした田舎道を、チョコチョコ停車して写真を撮りながら行く。日没もだいぶ早くなってきたし、また途中、道を間違えたりもしたので、ホテルにつくころにはほぼ暗くなっていた。
今日の宿は、Hotel Troense。 Svendborgの向側に浮かぶ島の小さな村。そこにあるヨットハーバーに面した、クラシックなホテルである。豪華さはないが、レストラン併設の、いわゆる Kro である。 Kroっちゅうのはスウェーデン・デンマークに多く見かけるレストラン付きの宿。 料理と宿の両方が自慢なのだ。 前回Fynに来た時に、Danmark Kro Guideなるものを入手していて、それを頼りにとったのだ。
フロントのオーナー婦人とおぼしき女性が温かく迎えてくれ、部屋まで案内してくれた。そこは、築100年以上はあるだろう旧家。屋根は、かやぶきだったのだろうが、今は瓦に葺きかえられている。しかし、その造りは古そうだ。 エレベーターもない急階段を上って案内されたのは、天井裏にあたる広い部屋。天井は屋根に沿って狭く感じるが、奥行きが広く、応接と寝室が分かれている。またいくつか設けられた小窓からは、海とそこに浮かぶ小島が眺められて、とても気に入った。
一息入れた後は、お目当ての食事。僕はロブスター(と英語で書いてあったけど、たぶんザリガニ)のスープと 1/1子持ちカレイ(と思うのだが、正直良くわからん)の姿揚げのえびクリームソース。 Nは、シャンピニオンのクリームスープに、鹿のステーキ。長男は、Wiener Schnitzelだ。 スープはコクがあってとても美味しく、寒い日にぴったり。非常に上品な塩味加減で、日本人にぴったりだ。やはり、料理はデンマークの方が洗練されている気がする。そして、魚の方は、1/1のとおり、巨大な魚が一匹まるごと出てきた。どうやら、Nによるとこのカレイの丸揚げはご当地名産の様子。美味しいワイン(モチロン白)も手伝って、あっという間に食べつくして、床に就いたのでした。
しかし、食事を始めたところで、とてもビックリしたのは、このレストランの照明。そう、あのPanton Lamp(しかも銀メッキ)をつかったシャンデリアだったのだ。一度、雑誌で見たことがあるが、未だに現役で使われている光景をまさか目に出来るとは! 70年代にリノベーションして、そのままなのでしょう。タイムスリップした気分となるレストランは、非常に満足でした。