朝起きたら、僕の目的は釣りである。Fyn島での釣りには、公式のSea Trout Guide Fynという本があって、Fyn島のポイントやTipsが書いてある。Denmarkのすごいところは、釣りのライセンスやこうしたガイドがインターネットで買えるところだ。(www.seatrout.com)
こんかいも、このガイドを見て近隣のスポットを既に探してある。目指すのは、ホテルがある島と Svendborgの間の海峡に位置する小さな岬。途中に車を止めて、後は歩きだ。犬禁止という看板が山道の入り口にあったのだが、しばらく歩くとその訳がわかる。
「牛」 そう、牛の放牧だ。
実は、僕は牛が苦手だ。というか、牛は普通は柵で囲まれたところにいるのだが、釣りをするために、この牛と同じ柵のなかに入らなければならないのだ。ぶっちゃけ、怖い。一度、牧草地の間を通って釣りに行った時に、その時は柵の外側を歩いていたのだが、100頭くらいの牛に「餌をくれる人」と勘違いされたらしく、柵沿いに追いかけられたことがある。もちろん、柵がある以上、危険はないのだが、100頭の牛が一斉に動くと、地面が揺れるのだ。「もしかしたら柵を壊すんじゃないか?」と思い始めると、かなり 怖い。僕の最後は牛に踏まれて「圧死」なのか?などと考えてしまうのだ。
あ~あ、またかよ・・・などと思いながらも、釣りがしたいので仕方なく柵の中に入る。見渡す限り、奴らの姿は見えないのだが、しばらく歩くと、見つけてしまった。しかも、ここの牛。いわゆるホルスタインではなかった。 体はホルスタインよりも小さいのだが、なぜか 毛むくじゃら で 頭には、巨大な ツノ が生えている。 毛むくじゃらでツノ。 水牛みたいなその風貌は、それだけで威嚇してるように見えて仕方がない。小学生の時のマラソンのスタート直前の時の気分のような、おなかに来る 嫌~な感じ。 しかも、見つけられて目が合ってしまった。
別に目が合っても、単にウシは好奇心が旺盛なだけで問題はないらしいんだが、その風貌に負けて回り道をして、岬の先まで丘を突っ切るかわりに、浜辺を通ることにした。 しかし、浜に下りたら、早速違う牛に遭遇した。今度は丘の上から見下ろしてやがる。驚かせないように、でも目線ははずさないようにしつつも、逃げるようにやり過ごし。やっとの思いで釣り開始。本に解説があるとおりの浅瀬なのだが、非常に流れが強く、うっかりし倒れたら流されそうだ。手元にリトリーブしたフライラインが、手繰る側から流されてゆく。海に立っているよりも、川でウェーディングしているという感じだ。おそらく、浅瀬から急に落ち込んでいて、そこに魚が付いているのであろう。しかし、意外に風がつよく、また、水深があって淵までは近づけない。浅瀬には、高潮の影響なのか、ベイトも見当たらず。そのまま、ボウズで終了。
ポイントからみたSvendborg
いそいそと荷物をまとめて、浜辺に牛がいないことを祈りつつ来た道を戻ると、嫌な予感は的中。 毛むくじゃらの群れが、よりによってゲートの直前に移動していた。 しかも、2頭くらいが浜辺ぎりぎりで草を食んでいる。
驚かせてはいけないので、それとなく存在をアピールするのだが、見つけたら見つけたで、にらまれる。10頭位はいたであろうか? 仕方なく、海の中を歩いて戻ろうと思ったが、底がヘドロであるけない。にっちも、さっちも行かない状況って言うのは、まさにこういうことで、仕方なく、海の中に立ち尽くし、Nには 牛に囲まれて身動き取れない旨を電話で伝えて、牛どもが興味を失って、落ち着くのをまつ。15分くらいやり過ごして、最後は度胸で戻ってきたのでした。
しかし、牛のことをフレンドリーだの、好奇心が旺盛と、別に牛と言葉を話して分かり合える訳でもない人間に、いくら説明されても、まったく説得力ないってもんです。
その後の話は、また。